相続税を適切に申告しないとどうなるか
1 申告期限内に適切に相続税を申告しなければならない
相続税の申告は、相続開始を知った次の日から10か月以内に申告する必要があります。
また、相続税の納付も相続開始を知った次の日から10か月以内に行う必要があります。
ちなみに、相続開始を知った次の日から10か月後に当たる日が、土日祝日で、税務署が開庁していない日であれば、翌営業日が相続開始日となります。
納税者は、この期限内に相続税を適切に申告する必要がありますが、適切に申告できなかった場合にはどうなるのでしょうか。
2 申告した相続税が本来の相続税よりも少なかった場合
納税者が把握していた財産が実際の相続財産よりも少なかった場合や、納税者が評価した財産の金額が実際の相続税評価額よりも低かった場合等には、申告及び納税した相続税が、本来納付すべき金額より低くなってしまいます。
そのような場合には、本体納付すべき金額を再計算して、その差額を納付する必要があります。
この本来納付すべき金額を再計算して申告することを修正申告といいます。
税務調査で指摘を受けて修正申告をする場合には、過少申告加算税が課されます。
この過少申告加算税は、追加で納める相続税の5%に当たる金額です。
また、追加で納めるべき相続税については、期限までに納税ができず、遅れて納税しているため、延滞税も課されます。
なお、税務署から指摘を受ける前に、自分で気が付いて修正申告をした場合には、過少申告加算税は加算されませんので、間違いに気が付いたら、速やかに修正申告をしましょう。
3 申告した相続税が本来の相続税よりも多かった場合
納税者が相続財産であると考えていた財産が実は相続財産ではなかった場合や、納税者が評価した財産について実際の相続税評価額よりも高額であった場合には、申告及び納税した金額が、本来納付すべき金額よりも高くなってしまいます。
そのため、本来納付すべき金額を再計算して、その差額を税務署から返還してもらう必要があります。
この本来納付すべき金額を再計算して、税金を取り戻す手続きを更正の請求といいます。
更正の請求は、申告期限から5年以内に行う必要がありますので、注意が必要です。