法定相続情報一覧図を作るメリット

文責:弁護士 井川卓磨

最終更新日:2024年08月15日

1 相続手続きが便利になる

 法定相続情報一覧図は、その被相続人の相続関係を記載した図で、法務局でその内容が確認されたものです。

 法務局で確認されているものですから、さまざまな相続手続きで利用することができます。

 当初は、限られた手続きでしか利用できませんでしたが、現在は、不動産の登記手続き、相続税の申告手続き(ただし、記載内容に条件があります)、裁判所での手続き、金融機関での相続手続きなど、ほとんどの相続手続きで利用することができるようになりました。

 法定相続情報一覧図を利用するメリットは、相続手続きが便利になるということです。

 法定相続情報一覧図がなければ、相続手続きにおいては、相続人の関係を示す戸籍等の原本を提出しなければなりません。

 そのため、複数の手続きを併行して進めようとすれば、複数の原本を用意する必要があり、費用がかさんでしまいます

 法定相続情報一覧図は、戸籍などの原本が1通ずつあれば作成できますし、無料で複数枚作成してもらうことができますので、このような費用がかかりません。

 この戸籍の原本は、場合によっては、非常に多くの量になることがあります。

 そのようなときには、提出先に戸籍の束を提出するだけでも大変ですし、提出先がその内容を確認したり、コピーを控えたりするのも大変ですし、その分手続きに時間もかかるでしょう

 そこで、法定相続情報一覧図を提出すれば、このような負担をかからないようにすることができますし、手続きもスムーズに進めることができます。

2 作成や作成を依頼できるのは一部のみ

 法定相続情報一覧図は、法務局で作成してもらいますが、どのように作成してもらえばよいかが分からないということもあるでしょう。

 そのようなときには、専門家に作成を依頼することができますが、法定相続情報一覧図を作成できるのは、相続人本人のほかには、相続人から依頼を受けた親族や、弁護士、司法書士などに限られています

 作成を依頼する場合には、これらの者に依頼しましょう。

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